頭シラミ:見逃されがちな頭皮のかゆみの原因と対処法
頭皮の強いかゆみが続く場合、意外な原因として「頭シラミ」の寄生が考えられます。
頭シラミはヒトの頭髪に寄生する小さな昆虫で、主に乳幼児や学童の間で集団発生しやすいですが、
大人にも感染する可能性があります。シラミの活動自体が不快感を与えるだけでなく、
その吸血行為が激しいかゆみを引き起こします。
頭シラミが引き起こすかゆみのメカニズム
頭シラミは、頭皮から血液を吸うことで生存します。この吸血時に、シラミの唾液が頭皮に入り込むことで、
それがアレルギー反応を引き起こし、強いかゆみを感じるようになります。
初めて寄生された場合はかゆみが現れにくいこともありますが、繰り返し吸血されることで体が唾液に反応し、
耐え難いかゆみとなることが一般的です。かゆみによって頭皮を掻きむしると、皮膚に傷がつき、
さらに炎症が悪化したり、細菌感染を併発して化膿したりするリスクも高まります。
頭シラミの症状と特徴
頭シラミに寄生された場合の主な症状と特徴は以下の通りです。
- 激しいかゆみ: 特に耳の後ろや襟足のあたりなど、シラミが好む部位に強いかゆみを
感じることが多いです。夜間に活動が活発になるため、寝ている間にかゆみがひどくなる傾向があります。
- フケに似た卵: 頭髪に白い小さな粒が付着しているのを発見することがあります。
これはシラミの卵(「しらみっ子」とも呼ばれる)で、フケと異なり、髪にしっかりと固着していて手で払っても
簡単には落ちません。主に髪の生え際や耳の後ろに多く見られます。
- 成虫の発見: 注意深く探せば、頭皮や髪の毛を這う体長2~4mm程度の成虫を
見つけることもあります。動きが素早いので見つけにくい場合もあります。
- 掻き傷・湿疹: 強いかゆみで掻きむしることで、頭皮に赤みのある湿疹や掻き傷が
でき、かさぶたになることがあります。
頭シラミの対処法と注意点
頭シラミの寄生が疑われる場合は、以下の対策が必要です。
- 専用シャンプーの使用: シラミ駆除効果のある医薬品のシャンプーやローションを、
薬剤師の指導のもとで使用します。用法・用量を守ることが重要です。
- 目の細かいクシでの除去: 専用の「すき櫛(くし)」を使って、髪の毛に付着した卵や
シラミの死骸を物理的に取り除きます。毎日根気強く行うことが大切です。
- 寝具・衣類の洗濯: シラミは頭髪から離れても数日は生存できます。寝具、枕カバー、
タオル、帽子などはこまめに洗濯し、乾燥機にかける(55℃以上の熱で5分以上)か、熱湯に浸ける(55℃以上で
5分以上)ことで、シラミを死滅させることができます。
- 家族への確認: 家族内での感染が広がりやすいため、同居する家族全員の頭皮を
チェックし、感染が確認された場合は同時に治療を開始することが推奨されます。
- 学校・保育園への連絡: 小さな子どもがいる場合、感染拡大を防ぐためにも、
通っている学校や保育園に連絡し、指示を仰ぎましょう。
頭シラミは不潔にしているから感染するわけではなく、頭と頭が接触することで簡単にうつります。
適切な対処をすれば必ず駆除できますので、冷静に対応することが大切です。
参考記事:
【決定版】頭のかゆみ対策:原因・症状・シャンプー成分を徹底解説