頭皮のかゆみが、特定の物質に触れた後に強く現れる場合、それはアレルギー反応(接触性皮膚炎など)が原因かもしれません。 アレルギーは一度発症すると、その原因物質(アレルゲン)に触れるたびに症状が繰り返し現れるため、根本的な解決にはアレルゲンの特定と徹底的な 回避が最も重要です。自己判断で症状を抑えようとすると、かえって悪化させてしまう恐れもあります。
アレルギーが疑われる場合、まず行うべきことは、何がアレルゲンになっているのかを特定することです。
頭皮のかゆみがアレルギー反応によるものかどうかの診断は、自己判断では困難です。まずは皮膚科を受診しましょう。 医師は問診に加え、必要に応じてパッチテストなどのアレルギー検査を行います。パッチテストでは、疑わしいアレルゲンを 皮膚に貼り付け、数日後の反応を見ることで、原因物質を特定します。
いつ、どんなヘアケア製品を使ったか、ヘアカラーやパーマの後に症状が出たかなど、症状が出た時の状況を記録しておくと、アレルゲン特定の 手がかりになります。特に、ヘアカラーに含まれるパラフェニレンジアミン(PPD)は、重篤なアレルギー反応を引き起こすことで 知られています。
アレルゲンが特定されたら、その物質を含む製品や接触を徹底的に避けることが、かゆみ対策の基本であり、最も効果的な方法です。
もしシャンプーやコンディショナー、スタイリング剤の成分がアレルゲンと判明した場合、直ちに使用を中止し、 アレルゲンフリーまたは低刺激性の製品に切り替えましょう。成分表示をよく確認し、購入前に必ず パッチテストを行う習慣をつけましょう。
PPDアレルギーがある場合は、PPDを含まないヘアカラー(カラートリートメントやヘナなど)を検討するか、美容師に相談して他の方法を 探しましょう。パーマ液の成分にアレルギーがある場合も同様です。
金属アレルギーがある場合は、ヘアピンやアクセサリーなど、頭皮に触れる金属製品の素材にも注意が必要です。
アレルゲンを回避するとともに、現在出ているかゆみや炎症を抑えるための対症療法も行います。
強いかゆみや炎症がある場合、皮膚科医から抗ヒスタミン剤の内服薬やかゆみ・炎症を抑える外用薬(ステロイドなど)が処方されます。 これらは指示通りに正しく使用しましょう。
頭皮が敏感になっているため、洗浄力の強いシャンプーや熱いお湯での洗髪は避け、優しく丁寧な洗髪を心がけましょう。 シャンプーのすすぎ残しがないよう、徹底的に洗い流すことも重要です。
アレルギー反応でバリア機能が低下している場合があるため、頭皮用の保湿剤で潤いを補給することも有効です。
アレルギーによる頭皮のかゆみは、アレルゲンと接触する限り繰り返されます。専門医と連携し、アレルゲンを特定して生活から排除することが、 かゆみからの解放への確実な道です。