頭皮のかゆみが、脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などの「皮膚炎(湿疹)」によって引き起こされている場合、 市販薬での自己判断や一般的なケアだけでは改善が難しいことが多いです。皮膚炎は、皮膚に炎症が起きている状態であり、根本的な治療と、 さらなる刺激を与えないための適切なケアが不可欠となります。
頭皮に赤み、強いかゆみ、ぶつぶつ、フケの異常、ただれなどの症状が見られ、皮膚炎が疑われる場合は、迷わず皮膚科を受診 してください。これが最も重要で、かつ効果的な対策の第一歩です。
専門的な治療を受けながら、日々の頭皮ケアにも注意を払い、頭皮への刺激を最小限に抑えることが、症状の改善と再発防止に繋がります。
皮膚炎の頭皮は非常に敏感になっています。洗浄力がマイルドで、無香料・無着色、アルコールフリー、パラベンフリーなど、 低刺激性のシャンプーを選びましょう。皮膚科医に相談して、症状に合わせた医療用シャンプーや薬用シャンプーを 勧められることもあります。
熱すぎるお湯は皮脂を奪い、炎症を悪化させる可能性があります。38度程度のぬるま湯で予洗いをしっかり行い、シャンプーを よく泡立ててから、**爪を立てずに指の腹で優しく**マッサージするように洗いましょう。患部をゴシゴシ擦らないように注意してください。
シャンプーやコンディショナーの洗い残しは、頭皮への刺激となり、症状を悪化させます。泡が完全に消えるまで、普段より時間をかけて 念入りにすすぎましょう。
洗髪後は、雑菌の繁殖を防ぐために頭皮をしっかり乾かす必要がありますが、ドライヤーの熱風は頭皮を乾燥させ、炎症を悪化させる可能性が あります。頭皮から20cm以上離し、温風と冷風を使い分けながら、できるだけ短時間で乾かすようにしましょう。
かゆみが強くても、掻きむしることで症状はさらに悪化し、細菌感染のリスクも高まります。無意識に掻いてしまう場合は、寝る時に手袋をする、 かゆみ止めの外用薬を適切に使うなどの工夫をしましょう。
皮膚炎による頭皮のかゆみは、根気強い治療とケアが必要です。医師と連携し、日々の生活習慣も見直すことで、症状の改善と健やかな頭皮を 目指しましょう。