頭皮の激しいかゆみが続き、特に耳の後ろや襟足に集中している場合、あるいは小さな白い粒が髪の毛にしっかり付着しているのを見つけたら、 頭シラミが原因かもしれません。頭シラミは不潔にしているから感染するわけではなく、頭と頭が接触することで誰にでも感染する 可能性があります。かゆみを伴うだけでなく、放置すると感染が広がる恐れがあるため、迅速かつ確実な対策が必要です。
頭シラミは自然に治ることはなく、専用の駆除方法が必要です。自己判断で一般的なシャンプーを使うだけでは駆除できませんので、以下の方法を 確実に実践しましょう。
薬局で市販されているシラミ駆除効果のある専用シャンプー(例:フェノトリンなどの殺虫成分配合)を使用します。 薬剤師に相談し、適切な製品を選びましょう。製品に記載されている用法・用量を守り、決められた期間(通常3日に1回、3~4回程度)使用することが 重要です。シラミの卵には効果がない場合が多いため、孵化した幼虫を駆除するために複数回繰り返す必要があります。
薬用シャンプーと並行して、専用のすき櫛(くし)を使って髪の毛に付着しているシラミの卵(「しらみっ子」と呼ばれる)や 成虫を物理的に取り除く作業を毎日行いましょう。洗髪後、髪が濡れた状態でリンスやコンディショナーを馴染ませると、すべりが良くなり、 除去しやすくなります。根気強く、髪の根元から毛先に向かって丁寧に梳かすのがポイントです。
シラミは頭髪から離れても短期間生存できます。家族や周囲への感染を防ぐため、以下の対策も同時に行いましょう。
枕カバー、シーツ、タオル、帽子、衣類など、頭に触れる可能性のあるものは、こまめに洗濯し、 乾燥機にかける(55℃以上の熱で5分以上)か、熱湯に浸ける(55℃以上で5分以上)ことでシラミを 死滅させることができます。洗濯できないものは、ビニール袋に密閉して2週間程度放置すると死滅します。
使用したクシやブラシは、熱湯に浸けるか、専用シャンプーで洗浄して清潔に保ちましょう。他者との共用は絶対に避けてください。
頭シラミは人から人へうつります。同居する家族全員の頭皮と髪を毎日チェックし、感染が確認された場合は、症状が なくても全員同時に駆除対策を開始することが、再感染を防ぐ上で非常に重要です。
小さなお子さんが感染した場合は、通っている学校や保育園に速やかに連絡し、感染拡大防止のための協力を仰ぎましょう。 情報共有することで、クラス内でのさらなる感染を防ぐことができます。
頭シラミの駆除は時間と手間がかかりますが、上記の方法を根気強く実践すれば必ず解決できます。症状が改善しない場合や不安な場合は、 皮膚科医に相談してください。