毎日使うシャンプーやコンディショナー、スタイリング剤といったヘアケア製品が、実は頭皮のかゆみの原因になっていることがあります。 洗い残しによる毛穴の詰まりや、製品に含まれる成分が頭皮に合わない場合など、様々なケースが考えられます。これらの製品が原因のかゆみには、 製品の見直しと、日々のヘアケア方法の改善が不可欠です。
現在使用している製品が頭皮に合わない可能性がある場合、まずは製品の成分を見直してみましょう。
洗浄力が強すぎる高級アルコール系(ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど)のシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流し、 乾燥やバリア機能の低下を招くことがあります。刺激を感じやすい場合は、アミノ酸系洗浄成分(ココイルグルタミン酸TEA、 ラウロイルメチルアラニンNaなど)を主成分とする、よりマイルドなシャンプーに切り替えることをおすすめします。
香料、着色料、防腐剤(パラベン、イソチアゾリノン系など)は、アレルギー反応や刺激を引き起こす可能性があります。これらが 含まれていない無香料・無着色・パラベンフリーなどの製品を選ぶと良いでしょう。
ベビーシャンプーにも使われる成分ですが、人によっては接触性皮膚炎を起こすことがあります。肌が弱いと感じる場合は、 この成分が含まれていないか確認することも大切です。
新しい製品を試す際は、事前に腕の内側などの目立たない場所でパッチテストを行い、肌に合うかを確認してから 使用すると安心です。
シャンプーやリンスの洗い残しは、毛穴を詰まらせ、雑菌の繁殖を促し、かゆみの大きな原因となります。
シャンプーの泡が完全に消え、頭皮と髪がきしむくらいまで、普段よりも時間をかけて徹底的にすすぎましょう。特に、 耳の周りや襟足、頭頂部は洗い残しが多い部分なので注意が必要です。
爪を立ててゴシゴシ洗うと頭皮を傷つけ、かゆみを悪化させたり、新たなトラブルの原因になったりします。指の腹で頭皮をマッサージ するように優しく洗い、汚れを浮かせましょう。
髪を洗った後は、雑菌の繁殖を防ぐため、ドライヤーで根元からしっかりと乾かしてください。ただし、熱風を頭皮に 長時間当てすぎると乾燥や刺激になるので、20cm以上離し、温風と冷風を使い分けながら素早く乾かすのがポイントです。
ヘアワックスやスプレーなどのスタイリング剤も、頭皮に付着したままになるとトラブルの原因になります。
スタイリング剤は、できるだけ髪の毛だけに塗布し、頭皮に直接つかないように注意しましょう。
使用した日は、必ずその日のうちに丁寧にシャンプーで洗い流し、残留させないようにしましょう。
シャンプーやヘアケア製品が原因のかゆみは、適切な製品選びと、日々の丁寧なケアで改善できることが多いです。しかし、症状が続く場合や 悪化する場合は、自己判断せず、速やかに皮膚科医に相談してください。