頭皮のかゆみを訴える方の多くが同時に経験する症状の一つが「フケ」です。フケは頭皮の 古い角質が剥がれ落ちたものであり、健康な頭皮でも少量発生しますが、その量が増えたり、特定の形状を 帯びたりする場合は、頭皮環境に何らかの異常が起きているサインと考えられます。特に、かゆみとフケが同時に 現れる場合は、頭皮の炎症やターンオーバーの乱れが疑われます。
フケは大きく分けて二つのタイプがあり、それぞれかゆみとの関係や原因が異なります。
頭皮が乾燥することで発生するフケです。特徴としては、細かくサラサラ しており、肩に落ちやすいのが特徴です。頭皮の水分不足により、バリア機能が低下し、未熟な 角質細胞が剥がれ落ちやすくなることで生じます。乾燥した頭皮は刺激に敏感になるため、乾燥性のフケは 軽いかゆみを伴うことが多いです。特に空気が乾燥する季節や、洗浄力の 強いシャンプーの使用、熱すぎるお湯での洗髪などが原因となることがあります。
皮脂の過剰分泌が原因で発生するフケです。見た目の特徴としては、 ベタつきがあり、比較的大きな塊になりやすく、頭皮や髪の毛に張り付いていることが多いです。 過剰な皮脂は、頭皮の常在菌であるマラセチア菌の餌となり、菌が異常増殖します。 このマラセチア菌が皮脂を分解する際に生成される物質が頭皮を刺激し、 強いかゆみや赤み、炎症 (脂漏性皮膚炎)を引き起こします。脂性のフケは、食生活の乱れやストレス、誤った ヘアケアなどが複合的に絡み合って悪化することがあります。
フケの種類を特定し、それに応じた適切なケアを行うことが、かゆみの改善に繋がります。
フケは単なる見た目の問題だけでなく、頭皮の健康状態を示す重要なサインです。フケの種類を見分け、 適切なケアをすることで、かゆみも和らぎ、健康な頭皮へと導くことができます。