頭皮の赤みと炎症:かゆみの悪化と肌トラブルのサイン
頭皮のかゆみが単なる「ムズムズ」でなく、鏡で見ると赤みを帯びていたり、触ると
熱っぽく感じたりする場合は、頭皮に炎症が起きているサインです。炎症はかゆみをさらに
悪化させるだけでなく、皮膚のバリア機能を著しく低下させ、さまざまな頭皮トラブルの温床となります。
炎症が引き起こす悪循環
健康な頭皮は青白い色をしていますが、炎症を起こすと血管が拡張して血流が増えるため、赤く見えます。
この炎症は、免疫システムが外部からの刺激や内部の異常に対して反応している状態です。炎症が起きると、
かゆみを引き起こすヒスタミンなどの物質が放出され、強いかゆみを感じやすくなります。
かゆいからといって頭皮を掻きむしると、皮膚の表面が傷つき、さらに炎症が悪化するという悪循環に陥ります。
傷ついた頭皮は細菌や真菌が侵入しやすくなり、化膿したり、脂漏性皮膚炎などの症状が重症化したりする
リスクが高まります。
頭皮の赤み・炎症の主な原因
頭皮の赤みや炎症は、様々な原因によって引き起こされます。
- 脂漏性皮膚炎: 最も一般的な原因の一つで、皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の異常増殖が
関与しています。赤みのある湿疹と、ベタつくフケを伴うことが多いです。
- 接触性皮膚炎(かぶれ): シャンプー、リンス、ヘアカラー、パーマ液などに含まれる
特定の成分が頭皮に触れることで、アレルギー反応や刺激性の反応が起こり、強い赤みや腫れ、かゆみを
引き起こします。
- アトピー性皮膚炎: アレルギー体質の人に多く見られる慢性的な皮膚炎で、頭皮にも
赤みやかゆみを伴う湿疹が発症することがあります。皮膚のバリア機能が低下しているため、乾燥と炎症を
繰り返しやすい特徴があります。
- 乾燥: 頭皮が極度に乾燥すると、バリア機能が低下し、外部刺激に敏感になります。
これにより、小さな刺激でも炎症が起きやすくなり、赤みやかゆみを引き起こすことがあります。
- 掻きすぎ: かゆみを感じて頭皮を頻繁に掻きむしることで、物理的な刺激によって炎症が
悪化し、赤みが増すことがあります。
- 紫外線ダメージ: 頭皮が紫外線に長時間さらされると、日焼けを起こし、赤みや
ヒリつきを伴う炎症が発生します。
赤み・炎症への対処法と注意点
頭皮の赤みや炎症が見られる場合は、自己判断で対処せずに速やかに皮膚科を受診することが
最も重要です。炎症の原因を正確に特定し、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期の改善を
目指せます。
- 皮膚科受診: 医師の指示に従い、処方された抗炎症作用のある外用薬(ステロイドなど)
や内服薬を正しく使用しましょう。
- 刺激を避ける: 洗浄力の強いシャンプーや熱いお湯での洗髪、ゴシゴシ洗いは避け、
低刺激性のシャンプーを使い、優しく洗髪しましょう。ドライヤーの熱風も避け、冷風や自然乾燥を
活用します。
- 清潔を保つ: 頭皮を清潔に保つことは重要ですが、過度な洗髪は避け、優しく洗い、
しっかり乾かすことを心がけましょう。
- 掻かない努力: かゆくてもできるだけ掻かないように意識し、爪を短く切る、寝る時に
手袋をするなどの工夫も有効です。
頭皮の赤みや炎症は、単なる不快感にとどまらず、頭皮の健康状態が危険な状態にあることを示すサインです。
適切な対処で、健やかな頭皮を取り戻しましょう。
参考記事:
【決定版】頭のかゆみ対策:原因・症状・シャンプー成分を徹底解説