ヘアケア製品の残留:かゆみを引き起こすメカニズムと要因
日々のヘアケアに欠かせないシャンプーやコンディショナー、スタイリング剤。しかし、これらの製品が
頭皮のかゆみを引き起こしているケースは少なくありません。原因は大きく分けて、製品の「肌への残留」と
「成分が肌に合わない」の二つが考えられます。どちらも頭皮環境を悪化させ、不快なかゆみや炎症に繋がる
可能性があります。
洗い残しによる頭皮トラブル
シャンプーやリンス、トリートメントなどが頭皮に洗い残されてしまうと、毛穴の詰まりを引き起こします。
特に、油分を多く含む製品は、しっかりとすすぎ流さないと頭皮に残りやすい性質があります。洗い残された成分は、
時間とともに酸化したり、頭皮の常在菌であるマラセチア菌などの雑菌の温床となったりします。
これにより、毛穴が炎症を起こしたり、雑菌が繁殖してかゆみ、フケ、湿疹、さらにはニキビのような吹き出物が
発生したりする原因となります。
頭皮に合わない成分による刺激とアレルギー
使用しているシャンプーやヘアケア製品そのものに含まれる成分が、頭皮に合わないためにかゆみを引き起こす
ことがあります。これは、大きく二つのパターンに分けられます。
- 刺激性接触皮膚炎: 特定の成分が頭皮に物理的な刺激を与えることで炎症が起きるケース
です。例えば、洗浄力が強すぎる「高級アルコール系洗浄成分(ラウレス硫酸○○など)」は、頭皮に必要な
皮脂まで過剰に洗い流し、乾燥やバリア機能の低下を招き、かゆみやヒリつきを引き起こすことがあります。
- アレルギー性接触皮膚炎: 特定の成分に対して体がアレルギー反応を起こし、かゆみ、
赤み、湿疹などの症状が現れるケースです。これは、一度アレルギーが成立すると、少量でも反応が出るよう
になるのが特徴です。
- 界面活性剤(コカミドプロピルベタインなど):洗浄成分ですが、洗浄剤そのものや含まれる不純物
によってアレルギー症状が出る人がおられます。
- 香料・着色料: シャンプーの香りを良くしたり色をつけたりする成分ですが、これらがアレルギー源と
なることがあります。
- 防腐剤(パラベン、イソチアゾリノン系など): 製品の品質を保つために配合されますが、人によっては
アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
- 植物エキス: 「天然成分だから安心」と思われがちですが、特定の植物エキスにアレルギーを持つ人も
います。
- ヘアカラーやパーマ液の成分: 特にヘアカラーに含まれる「パラフェニレンジアミン(PPD)」は、
重篤なアレルギー反応(かぶれ)を引き起こすことで知られています。
参考記事:
頭皮がかゆくならないシャンプーとはどんなシャンプー?
これらのトラブルを防ぐためには、シャンプー後はすすぎを徹底し、頭皮に優しい成分配合の製品を選ぶことが
重要です。新しい製品を試す際は、事前に腕の内側などでパッチテストを行い、自分の頭皮に合うかを確認することを
おすすめします。症状が続く場合は、皮膚科専門医に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。
参考記事:
【決定版】頭のかゆみ対策:原因・症状・シャンプー成分を徹底解説