毎日使うシャンプーは、頭皮の健康に直接影響を与えます。特に、シャンプーの主成分である「洗浄成分(界面活性剤)」の種類は、 頭皮のかゆみと密接に関わっています。洗浄成分の選び方一つで、頭皮は乾燥したり、刺激を受けたり、逆に皮脂が残りすぎたりして、かゆみを引き起こす 原因となることがあるのです。ここでは、主な洗浄成分の種類とその特徴を理解し、ご自身の頭皮に合ったシャンプー選びの参考にしましょう。
シャンプーに配合される洗浄成分は、その洗浄力や刺激の強さによって大きく分類できます。
例:ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na、スルホン酸Naなど
特徴:非常に洗浄力と脱脂力が高く、泡立ちが良いのが特徴です。ドラッグストアで手軽に購入できるシャンプーに多く使われています。高い洗浄力で
皮脂汚れをしっかり落とす一方で、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまいやすい傾向があります。これにより、頭皮が乾燥しやすくなり、バリア機能が
低下して、乾燥によるかゆみやフケ、ヒリヒリ感を引き起こすことがあります。敏感肌の方や乾燥肌の方には刺激が強く感じられる
場合があります。
例:石けん素地、脂肪酸Na、脂肪酸Kなど
特徴:アルカリ性で、洗浄力が高く、さっぱりとした洗い上がりが特徴です。比較的シンプルな処方のシャンプーに多く見られます。しかし、アルカリ性
のため、髪がきしみやすく、髪のキューティクルが開き、パサつきやすくなることがあります。
例:ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルメチルタウリンNaなど
特徴:洗浄力がマイルドで、頭皮や髪への刺激が少ないのが最大の特徴です。必要な潤いを残しながら洗い上げるため、
敏感肌や乾燥肌の方、頭皮のかゆみに悩む方に特におすすめされます。泡立ちは控えめな傾向がありますが、しっとりとした
洗い上がりになります。洗浄力が穏やかな分、スタイリング剤などをしっかり落としたい場合は、予洗いを丁寧に行うか、二度洗いが必要な場合も
あります。
例:コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタインなど
特徴:両性界面活性剤の一種で、非常に低刺激性で、ベビーシャンプーなどにも使われるほど肌に優しい成分です。単独で使われることは少なく、他の
洗浄成分と組み合わせて、泡立ちの良さやマイルドさを補う目的で配合されることが多いです。アミノ酸系と組み合わせて使うことで、より頭皮に優しい
シャンプーになります。ただし、人によってはコカミドプロピルベタインにアレルギー反応を示すケースも報告されています。
参考記事: コカミドプロピルベタインとアレルギーについて
頭皮のかゆみを改善するためには、ご自身の頭皮の状態に合った洗浄成分のシャンプーを選ぶことが重要です。
シャンプーの成分を理解し、頭皮の状態に合わせて選ぶことで、かゆみのない健やかな頭皮環境を育むことができます。もし症状が改善しない場合は、 皮膚科医に相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。