痒みが止まるシャンプーとはどんなシャンプー?

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痒みが止まるシャンプー

理美容室の現場を回っていると多い質問の一つが「頭皮の痒みが止まるシャンプー」についてです。
どのシャンプーがいいの?と聞かれますが、まずは頭皮の痒みの原因を見つけないと正しい対処はできません。そこでここでは原因別にシャンプー選びのコツをご紹介します。

シャンプーの成分が肌に合わない

シャンプーを替えてみても痒みが治まらず、皮膚科を受診しても大きな問題はないと言われ、塗り薬だけもらっても頭皮の痒みが止まらない方は、まずシャンプーの成分をチェックしてみましょう!
シャンプーボトルの裏面に全成分としてカタカナがいっぱい並んで書いてあると思います。そのなかに以下の成分が含まれていないかをチェックしてみましょう。

  • コカミドプロピルベタイン(別名:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液
  • ラウラミドプロピルベタイン(別名をラウリン酸アミドプロピルベタイン液
  • ポリクオタニウム-10
  • メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノン

コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタインは、厚生労働省の分科会でも何度か議題に上がった成分です。
2022年の分科会でも議題になりましたが、今回もアレルギー物質と認定する明確な根拠がないという事で見送りになりました。
確かに重度の症例が多いわけではないので、アレルギー物質として認定するほどのことでもないのはわかりますが、皮膚科の先生方の研究報告にあるように、お肌のバリアが弱っている方は注意が必要な成分です。

ポリクオタニウム-10は、シリコンの代わりに配合される髪の毛をサラサラにするための成分ですが、髪に吸着しやすいということは頭皮にも吸着しやすい成分ですので、ゆすぎ不足から頭皮の痒みの原因になることがあります。

イソチアゾリノン系の成分は、日本国内では使用自粛の方向にあるので、日本メーカーはほとんど使用しなくなりましたが、外資メーカーの商品では今でも配合されている場合があり注意が必要です。
上記の成分が入っていたら、入っていないシャンプーを試してみると良いでしょう。

コカミドプロピルベタインが入っていないシャンプーはこちら

頭皮が乾燥しているまたは頭皮のバリアが弱っている

頭皮が乾燥している場合、細かなフケを伴う場合が多いです。自覚がなくても頭皮がカサカサしていたり、お湯をかけるだけで頭皮がかゆくなったり違和感がある人は、頭皮の乾燥と頭皮のバリアが弱っている可能性が大です。
洗浄力が強すぎるシャンプーを使用しているか、洗いすぎ、またはゴシゴシと爪を立てて洗っているなど、シャンプーのやり方自体に問題がある場合があります。
まずシャンプーを替える前に、洗い方をチェックしてください。

  • お湯の温度が高すぎる。40度以上のお湯で洗うと頭皮が乾燥しやすくなる実験データがあります。
  • シャンプーを直接髪につけて洗い出す。シャンプーを手で軽く泡立ててから髪全体にシャンプーを伸ばしてから洗うようにしましょう。
  • ゴシゴシ洗う。爪を立てて洗ったり、ピンが硬いブラシでゴシゴシ洗っていると頭皮のバリアが弱り、痒みの原因になります。
  • 1日にシャンプーは1回までにしましょう。頻繁に洗うと乾燥の原因になります。乾燥を感じている方は、2日に1回のシャンプーを試してみるのもいいかも知れません。
  • ゆすぎが悪い。シャンプーの香りを残したいからと軽くゆすいで終わりという方を見かけます。シャンプー剤が残るとバリア機能が弱りますので注意が必要です。

まずは洗い方をチェックしてみてください。これでダメなら今より洗浄力が弱いシャンプーに変えてみましょう。1点注意しないといけないのは、汚れが落ちずに残ってしまうと痒みの原因になるということです。

皮膚疾患が原因のかゆみ

皮膚疾患の代表例では、脂漏性皮膚炎があります。
脂漏性皮膚は、皮脂が異常に分泌してそこにマラセチア菌が増殖することによって起こると言われていますが、詳細な作用機序はわかっていません。わかってないゆえに、皮膚科に通ってもなかなか完治せず、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚科に行っても治らないからと自分であれこれ薬用のシャンプーを試したりしますが、結果的に悪化することが多いので、しっかりと信頼できる皮膚科を見つけて相談しながら対処しましょう。
薬用シャンプーは、皮膚科で治療中に併用して使用するのがベストで、常時使用するシャンプーではありません。あくまでも対処療法で痒みがひどい時に一時的に使用するようにしましょう。薬用シャンプーは基本殺菌成分が配合されています。病原菌を減らすには良いのですが、長く使用すると皮膚に必要な常在菌まで影響を与えることになります。また、薬用シャンプーが合う人はいいのですが、合わない人は痒みや湿疹がひどくなるケースもありますので注意が必要です。よって、皮膚科と相談しながら使用することをおすすめします。