固形石鹸と液体石鹸の違い
1.成分の違い
固形石鹸と液体石鹸の違いは、見た目に大きく違うのは、個体か液体かの違いですが、根本的な違いは成分です。
個体石鹸は、脂肪酸ナトリウムという成分でできており、液体石鹸は、脂肪酸カリウムでできています。
専門的な話になりますが、油脂と水酸化ナトリウムを反応させてできるのが固形石鹸、油脂と水酸化カリウムを反応させて出来るのが液体石鹸です。
油脂は一般的に、植物油脂(ココナッツ油やヤシ油など)と動物油脂(牛脂など)が使用されます。
勘違いしやすいのは、固形だとすべて石鹸(脂肪酸ナトリウム)だと思う事です。最近では、固形であっても石鹸ではなく、合成界面活性剤が固形化されたものがあります。見分け方は、成分表を見て脂肪酸ナトリウムとなっているかどうかで判断します。
また、石鹸は個体でも液体でも弱アルカリ性です。弱酸性の石鹸は科学的に作ることは出来ません。
2.濃度の違い
個体石鹸は見てお分かりの通り、水分がほぼありません。90%以上が石鹸成分でできています。
それに対して液体石鹸は、石鹸成分が約30%程度です。残りはほとんど水です。石鹸成分だけに着目すると固形石鹸の方が圧倒的に濃度が高いと言えます。
しかし、石鹸成分だけは洗浄力はありません。水の中に石鹸成分が溶けてはじめて洗浄力を発揮します。
洗顔ネットなどを使って、水と石鹸を混ぜると泡が立ちます。この状態になると洗浄力が出てきますので、石鹸はよく泡立てて使いなさいと言われるのはこのためです。
固形石鹸のメリット
1.洗浄力が高い
液体石鹸に比べると濃度が高い分、洗浄力があります。とはいえ、上述したように、水がなければ洗浄力を発揮できないのでしっかり水を加えて泡立てて使用する必要があります。
靴下など洗う時は、まず靴下をお湯洗いして、石鹸を擦りつけてからもみ洗いします。泡立ちが悪いようでしたら石鹸が足りていないので石鹸を追加します。
2.コストパフォーマンスが良い
液体洗剤と違い、容器が不要であることと、石鹸濃度が高い、いわゆるコンパクトなので輸送費などが安く済むので、コストメリットがあります。プラスティック削減の観点から容器不要の固形石鹸は今後関心が高まると言えます。
固形石鹸のデメリット
1.衛生的でない
容器が不要であるメリットがある代わりに、石鹸自体が外界にさらされているので保管時の衛生状態が悪くなります。
家族などで共同で使用する場合も衛生的には良くありません。特にコロナ禍では使いまわしするには注意が必要です。
2.泡立てるのが面倒
水分をほとんど含んでいないため、水分を加えて泡立てネット等で泡立てる必要があります。液体石鹸に比べて泡立ちが悪いので少し手間と感じる方も多いでしょう。
また、最後まで使い切るまでに割れたり、溶けたりもするので保管の仕方には注意が必要です。
液体石鹸のメリット
1.家族で共同で使うのには衛生的である。
基本容器に入っているので、衛生的です。必要な分だけを取り出して使えるので使い勝手も良いと言えます。
コロナ禍においては、家族で共有して使用する場合でも安心です。
2.泡立ちが良く、ニオイがよく落ちる
もともと石鹸成分が水に溶けた状態になっているので、簡単に泡立ちます。石鹸の濃度も30%以下になりますので、お肌にも優しいと言えます。固形に比べるとニオイの落ちがよいとされています。
ボディソープやシャンプーとして使用するには、固形石鹸より優れていると言えます。
液体石鹸のデメリット
1.コストが高め
容器が必要なので固形石鹸よりはお値段が高めです。要らなくなった容器はゴミとなりますので環境への負担があります。
2.洗浄力は弱め
固形石鹸に比べると洗浄力が弱めなので、衣類洗いや食器洗いにはあまり向きません。シャンプーやボディソープとしての活用が向いています。
理美容室で導入されている石鹸シャンプーとは?
理美容業界での悩みの一つに手荒れの問題があります。夢を持って業界に入ってきたのに、手荒れがひどくて仕事をやめないといけない人も多くいます。
手荒れの原因の一つはシャンプーです。一日に何人ものお客様をシャンプーするわけですから、手荒れも修行の一つと考えられていた業界です。それではいけないと立ち上がったのは兵庫県理容組合でした。
平成16年ごろの事です。ご縁があって弊社が共同開発に加わることになり商品化されたのが石鹸シャンプーの「ロクワットシャンプー」です。(ロクワットシャンプー誕生秘話はこちら)
平成18年からスタートし、現在まで約4000店舗ほどのサロン様に採用していただきました。
冬になるとシャンプーが出来なくなるほど手荒がひどかったオーナー様が今では冬でもシャンプーの仕事ができるよ!と喜んでおられるのを見ると励みになります。